壁紙には2種類ある?!壁紙のクラスとその違い

量産品と一般品(1000クラス)の比較

一般的に壁紙として販売されているものには、大きく分けて「量産品」と「1000クラス」と呼ばれるものに分かれています。1000クラスは「一般品」という呼び方をされることもあります。
量産品と一般品という呼び方で考えてみると、「量産品=品質があまり良くない」「一般品=量産品以外の高級クロス」のようなイメージになってしまうかもしれませんが、実は品質についてはどちらにも大きな違いはありません。では、その2つの違いとはいったい何なのでしょうか?こちらでは2つの違いについてご紹介します。

使われているインク量の違い

量産品クロスは、大体3種類程度のインクで印刷できる柄や色で作られています。
対して一般品クロスは色の制限が特になく、多色のインクで作られているため、柄や色の種類やデザインが豊富です。
特にデザイン性の高い柄や特殊な色を希望しないのであれば、量産品でも一般品でもあまり変わりはありません。
インクの質自体には違いがないため、単純に使用できるインクの数の違いとなります。

機能性の違い

近年防汚や調湿といった機能性がついているクロスが多く採用されていますが、量産品クロスにはこの機能性のあるものはあまりありません。
防カビ機能や一部の量産品には表面強化などの機能があるものもありますが、最低限の機能のみと考えて良いでしょう。
一般品クロスになると、防汚、防カビ、消臭といった機能に加え、マイナスイオン放出、アレルギー抑制、吸放湿などの高い機能性をもったものが多くなります。
クロスが張ってあれば良い、機能性は特に求めていないという方でしたら量産品クロスでも充分かもしれません。

クロス生地の厚みの違い

量産品クロスは生地が厚く、下地が目立ちにくくなります。
一般品クロスは生地が薄く、きちんと下地処理を行っていないと、クロスの表面が下地の影響を受けてデコボコした状態になりやすくなります。
プロではなく、素人が自力でクロスの張り替えをDIYする場合は、量産品を選ばないとほとんどの場合で綺麗に仕上がりにくくなりますので注意してください。
一般品クロスを選ぶ際は、下地がきちんと適正に処理されているかも重要になってきますので、業者にしっかりと処理をしてもらってください。

張り替え平米あたりの単価の違い

量産品クロスと一般品クロスのそれぞれの1平米あたりの張り替え単価は、400~500円程度の差額がでることが多いです。
平均的な1平米あたりの張り替え単価をみてみると、量産品の場合は850円~であることが多いのですが、一般品クロスは1,250円~となっています。
家の内壁全面の張り替えにもなると差額もかなりの金額になりますので、お客様を通すリビングや和室などは一般品クロス、個人の部屋や廊下などは量産品クロスを使うといった組み合わせの工夫で全体的な費用を抑えることができます。

メリットとデメリット

量産品クロスのメリットは、単価の安さや施工のしやすさにあります。
生地が厚く下地の影響を受けにくいことから、最低限の技術があれば施工もしやすくなっています。DIYで壁紙を張り替えたいという方は量産品クロスをおすすめします。
デメリットは、機能性のなさとデザイン性の少なさです。
色やデザインが少ないため、その少ないものの中から好みのものを見つけられるかどうかといった心配や、機能性がほぼないことからお手入れをしっかりと行わないと見た目が劣化しやすくなる恐れもあります。

一般品クロスのメリットは、デザイン性の豊富さや機能性の高さにあります。
色やデザインがたくさんあるので、自分の好みに合うものを見つけやすくなりますし、トイレや洗面所、キッチンといった汚れや湿気が心配な場所に、それに適したクロスを選ぶこともできます。
ペットを飼っているかたや花粉などのアレルギーを持っている方には自宅でより快適に過ごすために最適なクロスを選ぶことができるでしょう。

デメリットは施工の難しさと価格の高さです。
一般品クロスは生地が薄いため下地が目立ちやすく、きちんと下地処理を行うことも大切ですし、薄いクロスを綺麗に張るための技術も必要になってきます。
経験や技術が少ない職人には難しいクロスともいえます。
また、張り替えの平米あたりの単価も量産品と比べて数百円高くなることから、施工面積によってはかなりの金額になってしまうこともあります。