クロスの素材

クロス」とは、部屋に貼る壁紙のことをいいます。
壁は部屋で最も大きい視覚面積を占めるものですから、このクロスを張り替えるだけで部屋全体の雰囲気をガラリと変える効果が期待できます。
古くなったクロスを新しいものに替えるだけで部屋全体が明るくなりますし、子供の成長に合わせて柄を変えたり、汚れやすい場所は汚れに強い素材のクロスにするなど、壁紙の張り替えを行うことでまるで部屋をリフォームしたかのように生まれ変わらせることができます。
最近ではプチDIYが流行っていることもあり、部屋に合うクロスを自分で簡単に張り替えることができるキットなども販売されています。
こちらでは、そんなクロスの素材ごとの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

ビニールクロス

ビニールクロスは塩化ビニール樹脂などを主原料とし、ビニールシートに紙を裏打ちしたものをいいます。
他の素材のクロスと比べて安価であり、品質も安定しているため量産がしやすく、耐久性やデザイン性もあるため、数あるクロスのなかで最も多用されています。
消臭や抗菌、汚れが付きにくいといった様々な機能を持つビニールクロスも生産されており、住宅のあらゆる場所に活用することができます。

ビニールクロスのメリットビニールクロスは施工が簡単で量産できるため、価格が安価であることが最大のメリットです。
色やデザインも豊富なので、より自分の希望に合うものを見つけることもできます。
また、トイレなどの臭いや汚れがつきやすい場所には抗菌・防臭機能があるクロスを、洗面所などの湿気が多い場所には防水機能のあるクロスを使うといった場所に合わせた使い方もできます。

ビニールクロスのデメリット様々な便利機能が付与されたクロスが開発される半面、そのようなクロスに含まれる化学物質が人体に及ぼす影響について疑問視する声もあります。
廃棄して焼却されるときに有害物質が発生することもあるため、日本壁紙教会ではビニールクロスについてのガイドラインを設け、シックハウス対策やホルムアルデヒド発散量などの調査を行い、様々なクロスについて性能、品質の確認がすぐにできるようになっています。

織物クロス

織物クロスは、レーヨンを主原料とし、麻・絹・綿などの素材を合わせて作られることが多いクロスです。
平織り・綾織り・不織布などがあり、織物ならではの重厚感やボリュームが特徴です。
柔らかで暖かみのある風合いや高級感があり、吸音性や調湿性もあるので美術館やホテルなどでも利用されています。

織物クロスのメリット素材ならではの風合いがあり、吸音性・調湿性・通気性に優れているため和室やベッドルームなどの壁紙につかうと部屋全体の雰囲気を落ち着かせてくれる効果が期待できます。
自然の材料を使っているため、化学物質でアレルギーの心配がある方にも使って頂くことができます。厚みがあり丈夫なので擦れや破れにも強いです。

織物クロスのデメリットビニールクロスと比べると価格が高めになっています。
また、材料が布繊維なので汚れが着くと落ちにくく、防火認定された商品が非常に少ないため、使用できる場所が限られることがあります。
ホコリを吸着しやすいので、定期的にハタキをかける、掃除機でホコリを吸うといったこまめな掃除が必要となります。

紙クロス

紙クロスはパルプを主原料とした紙の表面にプリント加工やエンボス加工を施し、裏打ちの紙を貼り合わせたものです。
紙クロスは主にヨーロッパやアメリカで需要が高く、そちらから輸入されているものがほとんどですが、最近では国産の手すき和紙を使った紙クロスなども販売されています。
紙素材のため、環境や健康へ配慮されたクロスとして人気がでています。・紙クロスのメリット紙クロスは吸音性があり空気を通すのが特徴で、色やデザインが豊富なので部屋の印象を大きく変えることができます。
紙由来の材料を使うことがほとんどなので化学物質によるアレルギーが心配な方にもおすすめできます。
素材の雰囲気が部屋の印象を柔らかくしてくれる効果もあります。

紙クロスのデメリット表面を薄く樹脂でコーティングしていますが、紙素材なので湿気や汚れが吸着しやすく、擦れなどにも弱めです。
そのため使用できる場所が限られます。
価格もビニールクロスと比べると高価です。湿気によって膨張収縮することがあり、目地部分が目立ってきてしまうこともあります。